「高い授業料を払っているのに、このまま続けていいの?」
「もしかして、うちの子には家庭教師が合わないのかも…」
「先生は一生懸命やってくれているけど、成果が見えない…」
家庭教師をお願いして3ヶ月。
目に見える成果が表れないと、そんな不安と焦りで胸が苦しくなっていませんか。
そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
こんにちは。
家庭教師業界で10年以上、数百組のご家庭と講師を見てきた教育コンサルタントの佐藤です。
何を隠そう、私自身も小学生の子どもを持つ親として、日々子どもの学習に頭を悩ませています。
だからこそ、断言できます。
家庭教師を始めて3ヶ月で成果が出ないと焦るのは、まだ早いかもしれません。
しかし、ただ待つだけでは状況は変わりません。
この記事では、多くのご家庭が陥りがちな「成果が出ない5つの原因」と、明日からすぐに実践できる「具体的な状況改善アクションプラン」を、私の経験を交えながら徹底的に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたの心のモヤモヤは晴れ、「今、何をすべきか」が明確になっているはずです。
さあ、一緒に解決の糸口を見つけていきましょう。
目次
なぜ「3ヶ月」が重要?焦る前に知っておきたい成果の目安
まず大前提として、「3ヶ月」という期間をどう捉えるべきか、一緒に考えてみましょう。
やみくもに「うちの子には合わない」と結論づけてしまうのは、非常にもったいないことかもしれません。
「3ヶ月」で判断できること、できないこと
3ヶ月という時間は、お子様にとって大きな変化が起こる大切な期間です。
まず、家庭教師という「週に1回、知らない大人が家に来て勉強を教えてくれる」という非日常的な環境に慣れるまでに、1ヶ月はかかります。
そこから講師との信頼関係を築き、「この先生になら、分からないことを素直に聞ける」と感じられるようになるまで、さらに1ヶ月。
そして、ようやく「机に向かう習慣がついてきた」「勉強のやり方が少し分かってきた」といった学習の土台が固まり始めるのが、ちょうど3ヶ月目頃なのです。
つまり、この時期に判断できるのは「学習習慣」や「勉強への意欲」といった目に見えにくい部分の変化です。
一方で、定期テストの点数のようなハッキリとした成果を判断するには、まだ少し早い段階と言えるでしょう。
闇雲に「交代」や「解約」を考えるのが危険な理由
「成果が出ないなら、すぐに先生を代えてもらおう」と考えるお気持ちも分かります。
しかし、ここで短絡的に判断してしまうと、お子様を混乱させてしまう可能性があります。
せっかく築き始めた講師との関係性がリセットされ、また新しい先生と一から関係を作り直さなければなりません。
これはお子様にとって、想像以上に大きなストレスとなる場合があります。
まずは焦らず、現状を冷静に分析することが何よりも大切です。
もしかして当てはまる?成果が出ない「5つの原因」セルフチェック
では、なぜ成果が上がらないのでしょうか。
原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていることがほとんどです。
以下の5つの原因を参考に、ご自身の状況を客観的にチェックしてみてください。
原因1:お子様自身に課題があるケース
最もデリケートな部分ですが、まずはお子様の心の内側に目を向けてみましょう。
- 勉強への目的意識やモチベーションが低い
そもそも「何のために勉強するのか」が分からず、保護者に言われるがまま家庭教師の指導を受けている場合、どうしても受け身になってしまいます。 - 「家庭教師の時間だけやればいい」と思っている
週1回90分の指導だけで成績が劇的に上がることはありません。
家庭教師はあくまでペースメーカーであり、指導時間以外の「自学自習」の質と量をどう高めていくかが鍵となります。 - 講師との相性が合っていないと感じている
「優しいけど、質問しづらい」「話が合わなくて気まずい」など、性格的な不一致を感じているのかもしれません。
これはどちらが悪いという問題ではなく、純粋に相性の問題です。
原因2:家庭教師(講師)に課題があるケース
次に、指導してくれている講師側に課題がないか見ていきましょう。
- 指導スキルが不足している、指導計画が曖昧
お子様の学力レベルや性格を把握せず、画一的な指導しかできていない可能性があります。
また、「今日は何をどこまでやるのか」というゴールが不明確なまま、時間だけが過ぎているケースも見られます。 - お子様とのコミュニケーションが一方通行
講師が一方的に解説するばかりで、お子様が本当に理解しているかを確認できていないパターンです。
「分かった?」と聞いてお子様が頷くだけで、次に進んでしまっているかもしれません。 - 報告・連絡・相談が不十分
保護者の方に対して、指導内容や進捗状況、お子様の様子などの報告が不足していると、家庭内で連携が取れず、学習効果が半減してしまいます。
原因3:ご家庭の環境に課題があるケース
意外と見落としがちなのが、ご家庭の環境や関わり方です。
私たち親の言動が、知らず知らずのうちにお子様のやる気を削いでいる可能性もあります。
- 保護者の期待がプレッシャーになっている
「高いお金を払っているんだから」「次こそは〇〇点取ってね」といった言葉が、お子様を追い詰めてしまっていることがあります。 - 勉強に集中できる環境が整っていない
指導中にテレビの音が聞こえたり、兄弟が部屋に入ってきたりと、学習に集中しづらい環境ではありませんか。
また、机の上が散らかっているだけでも集中力は削がれてしまいます。 - 家庭教師への要望をうまく伝えられていない
「もっと宿題を増やしてほしい」「指導が早すぎてついていけていないようだ」といった要望や懸念を、講師やセンターに伝えられずに抱え込んでしまっているケースです。
原因4:家庭教師センターに課題があるケース
家庭教師本人だけでなく、派遣元のセンターの体制に問題がある場合もあります。
- そもそもミスマッチな講師を紹介されている
最初の面談で伝えた要望(例:「厳しい先生がいい」「女性の先生がいい」など)と、実際に紹介された講師のタイプがズレている場合、そもそものマッチングに失敗している可能性があります。 - センターのサポート体制が機能していない
講師の交代や指導内容に関する相談窓口が不明確であったり、連絡しても対応が遅かったりするなど、センターが「紹介して終わり」になっているケースです。
原因5:そもそもの「目標設定」に課題があるケース
最後に、スタート地点である「目標設定」が適切だったか振り返ってみましょう。
- 非現実的な高すぎる目標を立てている
「3ヶ月で偏差値を10上げる」「次のテストで平均点を30点上げる」といった目標は、お子様にとっても講師にとっても大きな負担となり、焦りしか生みません。 - 「成績アップ」の定義が親子・講師間でズレている
保護者は「テストの点数」を、講師は「学習習慣の定着」を、お子様は「苦手な単元が分かるようになること」を目標にしているなど、三者の目線が合っていないと、誰もが「うまくいっていない」と感じてしまいます。
【原因別】明日からできる!具体的な状況改善アクションプラン
原因が見えてきたら、次はいよいよ具体的な行動に移す番です。
原因別に、すぐに試せるアクションプランをまとめました。
【お子様への働きかけ】まずは気持ちを受け止めることから
お子様に原因があると感じても、決して問い詰めたり叱ったりしないでください。
大切なのは、お子様の気持ちに寄り添い、味方であると伝えることです。
- 「何が嫌?」「どうしたい?」をじっくり聞く
「先生のどんなところが分かりにくい?」「本当は、どういう風に教えてほしい?」など、お子様が本音を話せるような雰囲気を作って、じっくりと話を聞いてあげましょう。 - 点数以外の「頑張り」を具体的に褒めて認める
「毎日、宿題を忘れずにやっているね」「前は苦手だった計算問題、最近よくできてるね」など、結果だけでなく努力の過程を褒めることで、お子様の自己肯定感を高めます。 - 講師と一緒に、達成可能な小さな目標を立て直す
「次の小テストで、計算ミスを2つ減らす」「1日10個、英単語を覚える」など、クリアできそうな小さな目標を設定し、成功体験を積ませてあげることが重要です。
【家庭教師への働きかけ】感情的にならず「相談」する
講師に直接要望を伝えるのは勇気がいることですが、関係改善のためには不可欠です。
「クレーム」ではなく「相談」というスタンスで話すのがポイントです。
- 指導報告書を元に、客観的な事実から話す
「先日の報告書にあった〇〇の部分なのですが…」と切り出すと、感情的にならずに話し合いを進められます。 - 「〇〇を△△してほしい」と具体的に要望を伝える
「もっと厳しくしてください」ではなく、「宿題の量を、今の倍くらいに増やしていただけないでしょうか」のように、具体的にリクエストしましょう。 - それでも改善しない場合の「講師交代」の切り出し方
直接言いにくい場合は、家庭教師センターの担当者に連絡するのが最もスムーズです。
「〇〇という理由で指導方法が合わないようなので、別の方を探していただくことは可能でしょうか」と、あくまで冷静に相談しましょう。
【ご家庭でできること】学習効果を最大化する環境づくり
私たち親の少しの工夫で、学習効果は大きく変わります。
- 結果だけでなく「過程」を応援する声かけを意識する
「テストどうだった?」と結果から聞くのではなく、「今日も頑張ってるね」「お疲れ様」といった、日々の努力をねぎらう言葉をかけましょう。 - 家庭教師と連携するための連絡ノートなどを活用する
指導報告書だけでは伝わらない学校での様子や家庭での学習状況を共有するノートを作るのも一つの手です。
講師とのコミュニケーションが円滑になり、指導の質も向上します。
【家庭教師センターへの働きかけ】ミスマッチを防ぐための相談術
センターは、ご家庭にとって最も頼りになるパートナーのはずです。
遠慮せずに、どんどん活用しましょう。
- これまでの経緯と、どんな講師を望むかを明確に伝える
「現在の先生は〇〇な点で合わないと感じています。
次は△△のような指導ができる方をお願いします」と、具体的に要望を伝えることが、次のミスマッチを防ぐ鍵です。 - サポート体制について、具体的に何をしてくれるのかを確認する
「講師への指導方法に関する研修はありますか?」「定期的な学習相談の機会はありますか?」など、センターが提供するサポート内容を改めて確認しておきましょう。
【目標の再設定】三者で「共通のゴール」を持つ
最後に、お子様、講師、そして保護者の三者で、もう一度同じ方向を向くための作業です。
- 「テストの点数」以外の目標も設定する
「毎日30分、机に向かう習慣をつける」「苦手な英語への抵抗感をなくす」など、長期的な視点での目標も共有しましょう。 - 達成度を測れる具体的な目標にする
「頑張る」ではなく、「1日15分、計算ドリルに取り組む」「英単語テストで8割取る」など、誰が見ても達成できたかどうかが分かる具体的な目標にすることが大切です。
最終手段としての「交代」や「解約」を考える前に
ここまで様々な手立てを尽くしても状況が改善しない場合、最終的な選択肢として「交代」や「解約」が視野に入ってきます。
しかし、その決断を下す前に、一度だけ立ち止まって考えてほしいことがあります。
もう一度、家庭教師を始めた「目的」に立ち返る
そもそも、なぜ家庭教師を始めようと思ったのでしょうか。
「苦手科目を克服したかった」「勉強の習慣をつけたかった」「志望校に合格したかった」…。
その最初の目的が、今の家庭教師で本当に達成できないのか、あるいは他の選択肢(個別指導塾や集団塾など)の方が適しているのか、もう一度冷静に検討してみてください。
講師交代・解約を伝える際の注意点とタイミング
もし交代や解約を決断した場合は、契約内容をよく確認し、規定に沿って手続きを進めましょう。
講師本人に直接伝えるのではなく、必ず家庭教師センターを通して連絡するのがマナーです。
お子様の精神的な負担を考慮し、学期の区切りやテスト期間後など、タイミングを見計らうことも大切です。
まとめ
長い時間、お疲れ様でした。
最後に、この記事でお伝えした大切なポイントを振り返りましょう。
- 焦りは禁物:「3ヶ月」は学習の土台作りの時期。目に見える点数だけで判断せず、お子様の小さな変化を見逃さないことが大切です。
- 原因の切り分けが重要:成果が出ない原因は、お子様、講師、ご家庭、センター、目標設定など様々です。冷静に状況を分析しましょう。
- 具体的なアクションプラン:原因が分かったら、一人で抱え込まず、お子様や講師、センターを巻き込んで、具体的な行動を起こしましょう。
家庭教師を始めて3ヶ月というのは、親子ともに最も不安になりやすい時期です。
しかし、ここで諦めてしまうのは本当にもったいないことです。
今回の記事でお伝えした原因と対策は、私がこれまで何百組というご家庭を見てきた中で、何度も繰り返されてきた典型的なパターンです。
つまり、あなたのご家庭だけで起きている特別な問題ではないということです。
どうぞ、一人で悩まないでください。
お子様の力を信じて、焦らず、ご家庭にとって最適なサポートを一緒に見つけていきましょう。
まずは、一番話しやすい相手(お子様、旦那様、講師、センターの担当者)に、「実はこんなことで悩んでいて…」と相談してみることから始めてみませんか。
その小さな一歩が、状況を大きく変えるきっかけになるはずです。
応援しています。
