「家庭教師に任せきり」はNG!子どもの成績を伸ばす親のサポート術3選

「家庭教師に任せきり」はNG!子どもの成績を伸ばす親のサポート術3選

「せっかく家庭教師をお願いしたのに、思うように成績が上がらない…」
「高い料金を払っているのだから、先生にお任せしていれば大丈夫なはず…」

お子さんのために家庭教師を始めたものの、このようなモヤモヤを抱えていらっしゃる保護者の方は、実は少なくありません。

こんにちは。
家庭教師業界で10年以上、数百組のご家庭と講師のマッチングに携わってきた教育コンサルタントです。
現在は独立し、保護者様向けの教育アドバイスを行う傍ら、私自身も小学生の子どもを持つ親として、日々子育てに奮闘しています。

そんなプロとしての経験と、一人の親としての視点から、まずお伝えしたい大切なことがあります。
それは、家庭教師の効果は、親の関わり方次第で驚くほど変わるということです。

この記事では、「家庭教師に任せきり」がなぜNGなのか、そしてお子さんの成績を本当に伸ばすための具体的な親のサポート術を3つ、厳選してお伝えします。

この記事を読み終える頃には、家庭教師の先生との関わり方についての不安が解消され、「これなら私にもできるかも」と、お子さんをサポートするための具体的な一歩を踏み出せるようになっているはずです。

なぜ、家庭教師に「任せきり」がNGなのか?

「プロにお願いしているのだから、口出ししない方が良いのでは?」
そのように考えるお気持ち、とてもよく分かります。

しかし、私がこれまで見てきた多くご家庭で、残念ながら成果が出にくかったケースには、ある共通点がありました。
それが「家庭教師への丸投げ」、つまり「任せきり」の状態です。

子どもの中に「やらされ感」が生まれてしまう

親が「先生にお願いしたから、ちゃんと勉強しなさい」というスタンスでいると、子どもは家庭教師の時間を「親に言われたからやるべきこと」と捉えがちです。

これでは、勉強が自分事にならず、「やらされ感」が募るばかり。
せっかくマンツーマンで教えてもらえる貴重な時間も、ただ受け身で過ごすだけになってしまいます。

これでは、学習意欲の向上は期待できません。

家庭教師と子どもの「本当の相性」が見えにくくなる

家庭教師は、お子さんとの相性が非常に重要です。
しかし、親が関与しないと、その「相性」の実態が見えにくくなります。

例えば、お子さんが先生に遠慮して「分からない」と言えなかったり、逆に先生の方がご家庭の教育方針を掴みかねて、踏み込んだ指導ができなかったり…。

親が関わらないことで生じる微妙なズレが、効果を半減させてしまうのです。

家庭学習の習慣化が遠のいてしまう

家庭教師の役割は、単に勉強を教えるだけではありません。
正しい勉強のやり方を教え、最終的には「自走できる力」、つまり家庭学習の習慣を身につけさせることです。

しかし、親が「勉強は家庭教師の時間だけ」という雰囲気でいると、子どももそのように認識してしまいます。
週に1〜2回の指導時間だけで成績を上げるのは至難の業です。
指導時間以外の家庭学習と連携してこそ、初めて成果が見えてくるのです。

【重要】子どもの成績を伸ばす親のサポート術3選

では、具体的に親はどのように関われば良いのでしょうか。
決して難しいことではありません。
「監視」や「管理」ではなく、あくまで「サポート」に徹することが大切です。
ここでは、誰でも今日から実践できる3つのサポート術をご紹介します。

サポート術①:家庭教師を「チームの一員」として捉え、連携を密にする

家庭教師の先生を「業者さん」ではなく、お子さんの目標達成を一緒に目指す「チームの一員」として迎え入れましょう。
この意識を持つだけで、コミュニケーションの質が大きく変わります。

指導報告書は「交換日記」、必ず目を通し返信する

多くの家庭教師会社では、指導後に報告書が提出されます。
ここには、その日の学習内容だけでなく、お子さんの様子や理解度、講師からのメッセージなど、貴重な情報が詰まっています。

読むだけで終わらせず、「いつもありがとうございます。〇〇が苦手なようなので、引き続きよろしくお願いします」など、一言でも良いので返信しましょう。
講師は「保護者の方も見てくれている」と感じ、より一層熱心に指導にあたってくれます。

月に一度は5分でもOK!三者での情報共有タイムを作る

毎回の指導の前後5分だけでも構いません。
可能であれば月に一度、少し長めに時間をとり、お子さんも交えた三者で話す機会を持ちましょう。

「最近、学校の授業で分からなかったところはある?」
「先生、宿題の量はこのくらいで大丈夫そうでしょうか?」
このような情報共有が、指導のズレをなくし、目標への最短ルートを作ります。

講師への要望や相談は、遠慮せず具体的に伝える

「テスト前は、苦手な数学の時間を増やしてほしい」
「もう少し宿題を増やして、学習習慣をつけさせたい」
このような要望は、決して失礼にはあたりません。

むしろ、ご家庭の意向を具体的に伝えてもらえる方が、講師も指導方針を立てやすくなります。
もちろん、最終的な判断はプロである講師に委ねる姿勢も大切ですが、まずは相談してみることが重要です。

サポート術②:学習の「環境」と「習慣」をデザインする

お子さんがスムーズに学習に入れるよう、環境を整えてあげるのも親の重要な役割です。
これは「勉強しなさい!」と口うるさく言うことではありません。

家庭教師が来る日は「勉強モード」に入る準備を手伝う

指導開始時間ギリギリまでゲームをしていたり、テレビを見ていたりすると、なかなか勉強モードに切り替えられません。

「先生が来る15分前になったら、机の上を片付けておこうか」
「始まる前に、今日の学校の宿題をチェックしておこうね」
このように優しく声をかけ、ウォーミングアップを手伝ってあげましょう。

宿題の進捗を「管理」ではなく「応援」するスタンスで確認する

「宿題やったの!?」と問い詰めるのではなく、「今日の宿題はどこまで進んだかな?」「難しいところあったら、次の授業で先生に聞けるように印をつけておこうか」と、あくまで応援団のスタンスで寄り添いましょう。

親が一緒に計画を立てたり、進捗を気にかけてくれたりするだけで、子どものやる気は大きく変わるものです。

集中できる物理的な環境を整える(整理整頓、静かな空間)

指導中はテレビを消す、ご兄弟が騒がないように配慮するなど、当たり前のことですが非常に大切です。
また、机の周りにおもちゃや漫画など、集中を妨げるものがないか、一度チェックしてあげるのも良いでしょう。

サポート術③:最高の応援団長として「心のサポート」に徹する

色々とお伝えしてきましたが、親の一番の役割は、お子さんの「最高の応援団長」であることです。
どんなに良い先生に習っても、本人の心が前向きでなければ成績は伸びません。

結果よりも「頑張ったプロセス」を具体的に褒める

テストの点数という「結果」だけを見て叱ったり、褒めたりするのは避けましょう。
「計算ミスはあったけど、最後まで諦めずに難しい文章問題に取り組めたね!」
「前回より、漢字を覚えるスピードが速くなったんじゃない?」
このように、頑張っている「過程」や「小さな成長」を見つけて、具体的に褒めてあげることが自己肯定感を育みます。

小さな「できた!」を一緒に喜ぶ

以前は解けなかった問題が解けるようになった。
小テストで満点を取れた。
そんな小さな「できた!」をお子さんが報告してくれたら、大いに喜んであげてください。
「すごいね!先生に教えてもらったおかげだね!」と、家庭教師の先生の存在も絡めて褒めると、お子さんの先生への信頼感も増していきます。

他の子どもと比較しない

「〇〇ちゃんは、もう次の単元に進んでいるのに…」
この言葉は、子どもの自信とやる気を最も削いでしまう危険な言葉です。
比べるべきは、他の誰かではなく「過去の本人」です。
お子さん自身の成長だけを見つめてあげてください。

よくあるお悩み別!親の関わり方Q&A

ここでは、保護者の方からよくいただくご質問に、Q&A形式でお答えします。

Q. 子どもが家庭教師の先生に遠慮して質問できないようです…

A. まずは、親から先生に「うちの子は人見知りする性格なので、先生の方から『分からないところはない?』と頻繁に声をかけてもらえると助かります」と伝えてみましょう。
また、お子さんには「先生は、分からないことを教えてくれるのがお仕事なんだよ。質問するのは良いことなんだよ」と、質問することへのハードルを下げてあげる声かけも有効です。

Q. 指導内容が、子どものレベルに合っていない気がします…

A. 感じたことは、率直に先生(もしくは家庭教師センター)に相談すべきです。
「学校の授業より少し進みが早いようで、子どもがついていけていないかもしれません。もう少し復習に時間を割いていただくことは可能でしょうか?」
このように、客観的な事実と要望をセットで伝えると、スムーズに改善案を検討してもらえます。

Q. 先生は良い人そうなのですが、相性が微妙な気がします…

A. これは非常に難しい問題です。
まずは、お子さんから「先生のどんなところが合わないと感じるのか」を具体的に聞いてみましょう。「話が早くて聞き取れない」「雑談が多すぎる」など、改善できるポイントが見つかるかもしれません。

それを踏まえて先生に相談しても改善が見られない場合や、理由なく「なんとなく嫌だ」という場合は、無理に続ける必要はありません。
相性の問題は、お子さんのモチベーションに直結します。
家庭教師センターに相談し、講師の交代を検討するのも大切な選択肢の一つです。

まとめ

今回は、家庭教師の効果を最大化するための、親のサポート術について解説しました。

最後に、本日の重要なポイントを振り返ります。

  1. 家庭教師は「チームの一員」。任せきりにせず、密に連携を取る。
  2. 親は学習の「環境」と「習慣」をデザインする役割を担う。
  3. 結果ではなくプロセスを褒め、子どもの「最高の応援団長」に徹する。

お子さんの成績アップは、決して家庭教師だけの責任ではありません。
保護者、お子さん、そして家庭教師の三者が、同じ目標に向かって協力し合う「三位一体」の状態になったとき、初めて大きな成果へと繋がっていきます。

この記事を読んで、「少し関わり方を変えてみようかな」と思っていただけたら、これほど嬉しいことはありません。

まずは、次回の指導報告書に、感謝の気持ちを一言添えることから始めてみませんか?
その小さな一歩が、お子さんの未来を大きく変えるきっかけになるはずです。