スペシャルインタビューInterview
外資系転職コンサルが語る。
TOEICは外資系企業でも通用するのか。
外資転職コンサルタント 鈴木 美加子さん
外資系企業への転職を考える方必見!これまでに1万人以上の外資系人事として面接を行った経験を持つ転職コンサルタントが語る、外資系企業の魅力、TOEICへの評価、そして転職を決めるために必要な英語力とは。
プロフィール:
GE、モルガンスタンレーなど外資系日本法人の人事部に勤務し、米国系の油圧機器メーカー(現・Eaton)ではアジアパシフィック本社勤務、日本DHLでは人事本部長を務める。2014年に独立し、グローバル・コミュニケーション、リーダーシップ研修など企業研修を担当する一方、個人向けにもキャリア相談を行っている。TOEIC960点、英検1級。お茶の水女子大学卒業。株式会社AT Global代表取締役。情報経営イノベーション専門職大学客員教授。著書に「やっぱり外資系がいい人の必勝転職AtoZ」(青春出版社)、「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方 (日本実業出版社)」
外資系企業への道
──卒業後からずっと大手外資系企業を渡り歩いてきたキャリアをお持ちですが、学生のころから英語は得意だったのですか?
鈴木 そう思われがちなんですけど、実は全く違います。大学2年の時にドイツに父が単身赴任をしていたので、海外に行きたいと思っていました。そこで成人式の晴れ着は要らないからドイツに行かせてくれと親と交渉して夏休みにドイツにホームステイで行ったんです。当時でもドイツでは40歳以下の人は大概英語が話せる状態でした。ある日ガーデンパーティーに参加したら約50人の参加者がいて英語ができなかったのは私だけだったんです。
──出来ないと言っても、今のような上級レベルではないということですよね?
鈴木 いえいえ、それが全く話せないレベルでした。本当にMy Name is とHow do you do?しか話せなかったのです。なので、当然会話らしい会話は一切できずに終わってしまいました。中学、高校、大学と8年も勉強していたのに実践の場で全く話すことができなくとてつもないショックを受けました。でも父が5ヶ国語を話す国際人だった影響もあり、私は異文化コミュニケーションに高い興味があったので英語が話せればもっと彼らのことが知れたのにと強く後悔し、もうこれは英語を本気で勉強しないといけないと思い、帰国後1日7時間位勉強にはまりました。そして英検1級を取得しました。当時はTOEICがなかったので英検でしたが、もしTOEICがあれば仕事で使えるTOEICを勉強していたと思います。
──憧れの外資系の企業に入られて何か一番魅力でしたか?
鈴木 やはり成果主義が徹底していることがあります。年齢、性別、国籍も関係なく成果で給料や昇進を判断されるフェアな点です。
──外資系に向いている人とはどんな人だとお考えですか?
鈴木 まずアサーティブ(自己主張ができて相手の気持ちも尊重できる)であることです。アジアは欧米と比べるとマイルドですがやはりインド、中国あたりではかなりタフな主張があることが多いのでやはり重要なポイントです。
その他は多様性を受け入れられるという点。人種、宗教、LGBTなど自分とは異なるもの考えをしっかり受け入れられるという点も外せませんね。
──外資系に初めて転職する際、特別なコネなどがない場合は何歳位までがリミットになりますか?
鈴木 転職エージェントの方とも話すのですが、42−43歳かなと。最近(2021年)はコロナの影響もありやや門戸が狭まっており40歳位になることが多くなっています。
TOEICは外資系企業でも通用するのか。
──最近ではIELTSなども認知度が高まっていますが、外資系企業ではTOEICはどの程度評価されるのでしょうか?
鈴木 日本にオフィスがある外資系の場合は圧倒的にTOEICが有効です。現在は英検だと1級以外は履歴書に書いても意味はないです。これは人事担当者が1級とそれ以下の級の差がとても大きいことを知っているので。一方TOEICはスコアから見えてくる英語レベルが人事担当者としては結構クリアになります。ですから就職や転職には英検を取る必要は全くなくTOEICを勉強することを強くお勧めします。
──外資系への転職するにはどの程度の英語力が必要なのでしょうか?
鈴木 これはポジションにもよりますが、かなりざっくり言うとスタッフレベルで、営業やエンジニアはTOEIC600点以上、法務や経理などかなりの多くの部署で700点以上、マーケティングや人事で800点以上あれば選考にかかってきます。
また、現在エンジニアで英語ができる人が圧倒的に不足しているので、エンジニアの方が英語力をつけるとその希少価値が一気に上がります。また営業もそうなのですが、やはり日本ではまだまだ英語力がある人が少ないので、英語ができるとなると自動的に幹部候補にリストアップされます。やはり本社とやりとりをする場合など全て英語でのやりとりとなり、正確に伝えないといけないので幹部は英語ができないと務まらないからです。
ただ、外資系なら英語が上級レベルできないと受からないと思っている人も多いのですが、実際はポジションによってそこまで英語ができなくても問題にならないケースもありますし、エンジニアなどはそもそも英語ができる人が圧倒的少数なのでここは大きなチャンスです。ぜひ挑戦してもらいたいです。
──外資系にもいろいろな国籍の人がいますがアクセントなども様々だと思いますが、これは問題になるのでしょうか?
鈴木 問題には全くなりませんし、誰も気にしていません。気にしているのは日本人くらいなものです。皆さん自分のアクセントに自信をもって話しています。他の国籍の人はなぜ日本人がアクセントに拘っているのか理解できないと思います。
これからのビジネスパーソンにとっての英語
──現在はキャリアカウンセラーとしてもご活躍ですが今の時代ビジネスパーソンにとって英語はどんな存在でしょうか?
鈴木 働き方の選択肢を増やしてくれる最強のツールですね。英語ができれば日系企業や日本で起業という選択肢以外にグローバル企業の日本駐在という選択肢も、海外就職や、海外で起業という選択肢も選べます。今は欧米は当然のことアジアも有力な選択肢になるので、英語ができるできないの差はとてつもなく大きいものになっています。
── 忙しいビジネスパーソンは学習時間が取れないという言葉も多いですが。
鈴木 今までGEの経営者とか大企業のCEOなどそれこそ忙しいとかいうレベルを超えているような人達を見てきましたが、そういう人でも勉強時間は確保しています。忙しいから勉強時間が確保できないというのはちょっぴり言い訳ですね。移動時間、ランチタイム、寝る前のちょっとした空き時間など時間は作ろうと思えば必ず作れます。
現在はスマホを使って空き時間に勉強ができますし、オンラインで授業も受けられるようになっていて、昔よりも英語を勉強しやすい環境が整っています。
ですが、実際に本人は不可能だと思っているというケースは多いと思います。現在私はルミナスパークというアセスメントツール(適性診断ツール)を使って、ある人の資質を分析してキャリア相談に乗っています。その中で目的意識が高いかどうかを測ることができるのですが、このスコアが低い人はやはり勉強が続かない傾向にあります。だいぶ英語の勉強もしっかりした目標、目的がないとモチベーションは続かないので、ここをしっかり定めることは重要だと思います。
──例えばTOEICが800点以上あるのに話せないという人は外資系への転職は難しいのでしょうか。
鈴木 これはポジションにもよりますが、全体的にはリーディングとライティングの方が重要視されるケースが多いです。社内連絡や資料、レポートなどは全部英語になるので読めないとなると問題外ですが、スピーキングが苦手というのは例えば国内営業スタッフであればTOEIC600点もあれば問題ありません。また必要になったらその時に集中して鍛えるということでも対応が可能なケースも多いです。
──転職の際に履歴書に書くことを目的にTOEICのスコアを追い求める、これは得策でしょうか。
鈴木 履歴書にTOEICのスコアをしっかり書けるというのは本当に強いですし、可能性を一気に上げるものになるので短期間にTOEICを集中して勉強するのはおすすめです。単語やリスニングスキルを少しでも高めることはマイナスにはなりませんからね。
── 1万人の面接をこなしてきた鈴木さんに面接や履歴書のチェック、キャリア相談などをお願いしたい場合はどうすればいいのでしょうか?
鈴木 個別にご連絡いただければ対応も可能ですし、現在オンラインサロン「グローバル人材塾」を運営しているのでそちらにご入会いただけると割引料金で受けられます。サロンには現在外資系で働いている方や外資系へ転職希望の方、外国人としっかり協働したい方などグローバルに活躍したい方が集まっているのでご興味がある方はぜひご参加ください。
── 最後にコレダケをご検討の皆さんに一言いただけますか?
鈴木 御社の運営母体である語学学校には数年前訪問させてもらって、体験レッスンも受けさせていただきました。その際に感じたのは想像していたよりも遥かに綺麗なアメリカン英語を先生たちが話すなあと。そして私は一応TOEIC960点あるので、どう言う レッスン をするのかなと興味深く思っていたのですが、マーケティング的アプローチを題材にするなどかなり高度な内容でレッスン をしてくださって正直驚きました。また私がしっかり発言できるようにレッスンをコントロールしていてしっかり目的意識をもったレッスンをしているなと感じました。やはりあれだけしっかりした学校運営を十年近くされてきた学校が監修したオンラインスクールは、また期待を超える良いものになるだろうと信じています。
鈴木美加子さんのオンラインサロンとSNS
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