スペシャルインタビューInterview

スペシャルインタビュー

外資系転職コンサルが語る。
TOEICは外資系企業でも通用するのか。

外資転職コンサルタント 鈴木 美加子さん

外資系企業への転職を考える方必見!これまでに1万人以上の外資系人事として面接を行った経験を持つ転職コンサルタントが語る、外資系企業の魅力、TOEICへの評価、そして転職を決めるために必要な英語力とは。

プロフィール:
GE、モルガンスタンレーなど外資系日本法人の人事部に勤務し、米国系の油圧機器メーカー(現・Eaton)ではアジアパシフィック本社勤務、日本DHLでは人事本部長を務める。2014年に独立し、グローバル・コミュニケーション、リーダーシップ研修など企業研修を担当する一方、個人向けにもキャリア相談を行っている。TOEIC960点、英検1級。お茶の水女子大学卒業。株式会社AT Global代表取締役。情報経営イノベーション専門職大学客員教授。著書に「やっぱり外資系がいい人の必勝転職AtoZ」(青春出版社)、「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方 (日本実業出版社)」

外資系企業への道

──卒業後からずっと大手外資系企業を渡り歩いてきたキャリアをお持ちですが、学生のころから英語は得意だったのですか?

鈴木 そう思われがちなんですけど、実は全く違います。大学2年の時にドイツに父が単身赴任をしていたので、海外に行きたいと思っていました。そこで成人式の晴れ着は要らないからドイツに行かせてくれと親と交渉して夏休みにドイツにホームステイで行ったんです。当時でもドイツでは40歳以下の人は大概英語が話せる状態でした。ある日ガーデンパーティーに参加したら約50人の参加者がいて英語ができなかったのは私だけだったんです。

Suzuki Mikako

──出来ないと言っても、今のような上級レベルではないということですよね?

鈴木 いえいえ、それが全く話せないレベルでした。本当にMy Name is とHow do you do?しか話せなかったのです。なので、当然会話らしい会話は一切できずに終わってしまいました。中学、高校、大学と8年も勉強していたのに実践の場で全く話すことができなくとてつもないショックを受けました。でも父が5ヶ国語を話す国際人だった影響もあり、私は異文化コミュニケーションに高い興味があったので英語が話せればもっと彼らのことが知れたのにと強く後悔し、もうこれは英語を本気で勉強しないといけないと思い、帰国後1日7時間位勉強にはまりました。そして英検1級を取得しました。当時はTOEICがなかったので英検でしたが、もしTOEICがあれば仕事で使えるTOEICを勉強していたと思います。

──憧れの外資系の企業に入られて何か一番魅力でしたか?

鈴木 やはり成果主義が徹底していることがあります。年齢、性別、国籍も関係なく成果で給料や昇進を判断されるフェアな点です。

──外資系に向いている人とはどんな人だとお考えですか?

鈴木 まずアサーティブ(自己主張ができて相手の気持ちも尊重できる)であることです。アジアは欧米と比べるとマイルドですがやはりインド、中国あたりではかなりタフな主張があることが多いのでやはり重要なポイントです。

その他は多様性を受け入れられるという点。人種、宗教、LGBTなど自分とは異なるもの考えをしっかり受け入れられるという点も外せませんね。

──外資系に初めて転職する際、特別なコネなどがない場合は何歳位までがリミットになりますか?

鈴木  転職エージェントの方とも話すのですが、42−43歳かなと。最近(2021年)はコロナの影響もありやや門戸が狭まっており40歳位になることが多くなっています。

TOEICは外資系企業でも通用するのか。

──最近ではIELTSなども認知度が高まっていますが、外資系企業ではTOEICはどの程度評価されるのでしょうか?

鈴木 日本にオフィスがある外資系の場合は圧倒的にTOEICが有効です。現在は英検だと1級以外は履歴書に書いても意味はないです。これは人事担当者が1級とそれ以下の級の差がとても大きいことを知っているので。一方TOEICはスコアから見えてくる英語レベルが人事担当者としては結構クリアになります。ですから就職や転職には英検を取る必要は全くなくTOEICを勉強することを強くお勧めします。

Suzuki Mikako

──外資系への転職するにはどの程度の英語力が必要なのでしょうか? 

鈴木 これはポジションにもよりますが、かなりざっくり言うとスタッフレベルで、営業やエンジニアはTOEIC600点以上、法務や経理などかなりの多くの部署で700点以上、マーケティングや人事で800点以上あれば選考にかかってきます。

また、現在エンジニアで英語ができる人が圧倒的に不足しているので、エンジニアの方が英語力をつけるとその希少価値が一気に上がります。また営業もそうなのですが、やはり日本ではまだまだ英語力がある人が少ないので、英語ができるとなると自動的に幹部候補にリストアップされます。やはり本社とやりとりをする場合など全て英語でのやりとりとなり、正確に伝えないといけないので幹部は英語ができないと務まらないからです。

ただ、外資系なら英語が上級レベルできないと受からないと思っている人も多いのですが、実際はポジションによってそこまで英語ができなくても問題にならないケースもありますし、エンジニアなどはそもそも英語ができる人が圧倒的少数なのでここは大きなチャンスです。ぜひ挑戦してもらいたいです。

──外資系にもいろいろな国籍の人がいますがアクセントなども様々だと思いますが、これは問題になるのでしょうか?

鈴木 問題には全くなりませんし、誰も気にしていません。気にしているのは日本人くらいなものです。皆さん自分のアクセントに自信をもって話しています。他の国籍の人はなぜ日本人がアクセントに拘っているのか理解できないと思います。

これからのビジネスパーソンにとっての英語

──現在はキャリアカウンセラーとしてもご活躍ですが今の時代ビジネスパーソンにとって英語はどんな存在でしょうか?

鈴木 働き方の選択肢を増やしてくれる最強のツールですね。英語ができれば日系企業や日本で起業という選択肢以外にグローバル企業の日本駐在という選択肢も、海外就職や、海外で起業という選択肢も選べます。今は欧米は当然のことアジアも有力な選択肢になるので、英語ができるできないの差はとてつもなく大きいものになっています。

── 忙しいビジネスパーソンは学習時間が取れないという言葉も多いですが。

鈴木  今までGEの経営者とか大企業のCEOなどそれこそ忙しいとかいうレベルを超えているような人達を見てきましたが、そういう人でも勉強時間は確保しています。忙しいから勉強時間が確保できないというのはちょっぴり言い訳ですね。移動時間、ランチタイム、寝る前のちょっとした空き時間など時間は作ろうと思えば必ず作れます。

現在はスマホを使って空き時間に勉強ができますし、オンラインで授業も受けられるようになっていて、昔よりも英語を勉強しやすい環境が整っています。

ですが、実際に本人は不可能だと思っているというケースは多いと思います。現在私はルミナスパークというアセスメントツール(適性診断ツール)を使って、ある人の資質を分析してキャリア相談に乗っています。その中で目的意識が高いかどうかを測ることができるのですが、このスコアが低い人はやはり勉強が続かない傾向にあります。だいぶ英語の勉強もしっかりした目標、目的がないとモチベーションは続かないので、ここをしっかり定めることは重要だと思います。

──例えばTOEICが800点以上あるのに話せないという人は外資系への転職は難しいのでしょうか。

鈴木 これはポジションにもよりますが、全体的にはリーディングとライティングの方が重要視されるケースが多いです。社内連絡や資料、レポートなどは全部英語になるので読めないとなると問題外ですが、スピーキングが苦手というのは例えば国内営業スタッフであればTOEIC600点もあれば問題ありません。また必要になったらその時に集中して鍛えるということでも対応が可能なケースも多いです。

──転職の際に履歴書に書くことを目的にTOEICのスコアを追い求める、これは得策でしょうか。

鈴木 履歴書にTOEICのスコアをしっかり書けるというのは本当に強いですし、可能性を一気に上げるものになるので短期間にTOEICを集中して勉強するのはおすすめです。単語やリスニングスキルを少しでも高めることはマイナスにはなりませんからね。

── 1万人の面接をこなしてきた鈴木さんに面接や履歴書のチェック、キャリア相談などをお願いしたい場合はどうすればいいのでしょうか?

鈴木 個別にご連絡いただければ対応も可能ですし、現在オンラインサロン「グローバル人材塾」を運営しているのでそちらにご入会いただけると割引料金で受けられます。サロンには現在外資系で働いている方や外資系へ転職希望の方、外国人としっかり協働したい方などグローバルに活躍したい方が集まっているのでご興味がある方はぜひご参加ください。

Suzuki Mikako

── 最後にコレダケをご検討の皆さんに一言いただけますか?

鈴木 御社の運営母体である語学学校には数年前訪問させてもらって、体験レッスンも受けさせていただきました。その際に感じたのは想像していたよりも遥かに綺麗なアメリカン英語を先生たちが話すなあと。そして私は一応TOEIC960点あるので、どう言う レッスン をするのかなと興味深く思っていたのですが、マーケティング的アプローチを題材にするなどかなり高度な内容でレッスン をしてくださって正直驚きました。また私がしっかり発言できるようにレッスンをコントロールしていてしっかり目的意識をもったレッスンをしているなと感じました。やはりあれだけしっかりした学校運営を十年近くされてきた学校が監修したオンラインスクールは、また期待を超える良いものになるだろうと信じています。

鈴木美加子さんのオンラインサロンとSNS

オンラインサロン「グローバル人材塾」:https://bit.ly/2UuA5n1
Twitter : https://twitter.com/Mikako_Suzuki
LinkedIn : https://www.linkedin.com/in/mickysuzuki1210/

多言語スピーカーだからわかる
間違いだらけの勉強法。

翻訳家 原山 雅行 さん

授業こそ大事、ネイティブから教われ、マンツーマンが一番・・・多くの人が信じて疑わない勉強法は実は間違っていた!?6ヶ国語を操る翻訳家が教える根拠のある正しい勉強法をすれば英語は必ず伸びる!

プロフィール:
早稲田大学卒業後、近畿日本ツーリストに入社し海外添乗員として活躍。その後、イギリスのケンブリッジに留学し上級英語を習得し現地ホテルに就職。帰国後Googleに入社し多国籍な環境で開発業務に従事。その後海外英語学校で講師トレーニングなどを担当し、現在は日本で翻訳家として活躍。英語だけではなく北京語、広東語、スペイン語、イタリア語、トルコ語などを操る語学マスターでもある。

Harayama Masayuki

闇雲に勉強しても良い結果はでない

──翻訳家として活躍される原山さんですが、学生時代から英語が得意でしたか?

原山 私は今でこそ翻訳家として業務をこなしたり、英語環境で仕事をすることも当たり前になっていますが、実は元々は英語は嫌いでした。中学校から英語の勉強が始まりましたが勉強方法も良くわからなく、やってもやっても結果が出ないので中学校時代は英語の勉強が嫌いでした。

それが高校入学時のオリエンテーションの際に「当校の授業は予習を前提に授業を進めます」と言われ、英語が全然できないから何とかしなきゃということで真面目に予習をして授業に臨むようになりました。あらかじめ単語を調べたり、分からないところをまとめたりと。そうしたら「あれ?なんか授業内容がわかるぞ」ってなって成績が伸びはじめて英語の勉強が楽しくなってきたのです。

その時に正しい勉強方法で学習すれば効果に大きな違いが出ることの一つを痛感したのです。結果が出れば楽しくなり、モチベーションも上がります。逆に効果が出ない勉強法をしていては結果がでなく、ただただ辛い時間となってしまい長続きしないという結果になります。私は現在も英語をはじめ複数の言語の勉強を続けており、日本語や英語講師の経験もあるので、今回はそれらの経験を踏まえて言語を学ぶ際の重要なポイントについてお話しさせてもらいます。

より深い理解を得られる反転授業

──私の学生時代は予習はいいから授業を第一にしろと言う先生も多かったと記憶しています。多くの人にとって復習はまだしも予習は疎かにされがちではないでしょうか?

原山 先ほどお話した通り、私は高校で英語の授業を初めてしっかり理解できるようになったのですが、それは自習、予習をしっかり行うようになったからでした。これは昨今注目されている”反転授業”という手法だったのです。

一般的な授業は、その時初めて聞く内容で知識を得る場になってしまい生徒の姿勢も受け身になります。その場では先生に説明されると分かった気にはなりますが、しっかり咀嚼して自分のものになっているかというとそうでもないですよね。少し形が変われば途端に分からなくなるという経験は誰もがしているのではないでしょうか。

一方予習という既に知識を得る工程を経てから授業に臨む反転授業は、生徒の姿勢も聞く姿勢も能動的になります。今日はこのことを学ぶのだなという思考が先回りしているので、自分が理解できていない部分を明確に意識することができます。ですから、先生の説明を受けたときは「なるほど、そういうことだったのか」と深いところまで理解できるので、習熟度はかなり高くなります。

──しかし、予習をするというのは以前から言われていたことではありますよね?

単純に予習をしろという話ではありません。反転授業においては、先生が行う授業も生徒たちが予習を通じて知識を既に知っているという前提で行いますから、授業を知識を授ける場としては同じことの繰り返しですので、習熟度を上げる、いわば実践的なトレーニングを行う内容になっていなければなりません。この流れの方が結果的には時間的効率も高くなりますし、非常に効果が高い勉強法です。

Harayama Masayuki

日本人講師と外国人講師は得意分野が違う

──日本では一般的に外国人講師、特にネイティブから英語を習うことが良いとされていますよね。それも違うと聞きました。

原山 私は両方の講師から学びましたし、私自身母語である日本語を教えたり、英語講師の経験があるのでそれぞれのメリットがあると感じています。

日本人が英語を学ぶ場合はであれば、日本人講師のメリットは、文法などの解説を日本語で行えるという点。10歳以下の子供の場合は感覚で言葉を習得することが得意ですが、大人になると脳の学習メカニズムが変わるために理論的に覚えた方が圧倒的に効率的です。この分野は母国語で説明してくれる日本人講師が担当するのがベストです。

一方外国人講師のメリットは別のところにあります。まず文法などを日本語で理解できた後で、英語で習うと理解が更に深まります。言語には理屈で割り切れない、説明がしずらい部分があります。外国人講師から教わると感覚的な部分の理解も進むため、より自然な英語を感覚的に把握することに繋がります。

またスピーキングなどの練習や発音なども外国人講師が担当した方が圧倒的に良いでしょう。やはり英語を使うのは外国人相手となるので外国人講師であれば「その本番を想定できる」というのも大きなメリットです。

英語力が高い日本人講師なら問題ないのではという意見もありますが、いくら日本人講師の英語力が高くても、やはり文化的、言語的背景を同じくする者同士だと間違った発音、文法、単語でも通じてしまう、汲み取れてしまうということがあります。やはり日本語が理解できない外国人講師との実践演習を組み込む必要性があります。

その他、日本では英語ネイティブへの信仰が厚いですが、私のイギリス滞在や外資系企業であるGoogleでの経験からしても今や外国人といっても相手が英語ネイティブであるとは限らないので、このグローバル社会ではネイティブ以外の様々な英語の発音に触れることも重要です。

英語力を効率的に伸ばしたいなら実はグループレッスン

──昨今、個別指導の学習塾とか、マンツーマンレッスンを売りにした英会話スクールが流行りです。確かに伸びそうと感じますが、実際のところはどうなのでしょうか?

原山 英語教育業界でも十数年前からマンツーマンレッスンを売りにしたフィリピン・セブ留学が人気になりましたよね。日本でも高価格帯の英会話スクールを中心にマンツーマンレッスンを売りにするところは増えていますし、低価格なオンラインスクールもマンツーマンです。確かにマンツーマン授業は学生に合わせて柔軟に対応できるので、それ自体は良いものだとは思います。しかし、私の経験からも一部のストイックに勉強できる人以外は、それを生かせない場合が多く、一見劣るように思えるグループクラスの方が結果的に英語力は上がることが多いです。

マンツーマンレッスンで講師が自分に合わせてくれるというのは、考え方を変えればサボれてしまうのと同じなのですよ。「仕事が忙しかった」「気分が乗らなかった」「さっぱり分からなかった」ということで予習や復習をしなくても講師はお客さんに優しいからそれでも許されちゃう。甘えがでちゃうんですよね。そしてそれは授業の進捗ペースが当初の予定より遅れることに繋がります。もちろん学校としてはそれで学生が長く在学してくれれば利益になるので、願わずも結果的にありがたい構図になっています。

また、英語の伸びは右肩上がりに一直線で伸びることはなく、一定レベルに到達すると伸び悩む時期があります。しかし、講師もそのレベルに合わせてしまいがちなので、更にそこをグッと引き上げる作業がしにくいというデメリットもあります。講師が合わせてくれることで成り立っているコミュニケーションなのに、英語が話せるようになったと錯覚してしまい実戦の場ではさっぱりとなりがちです。「レッスンでは話せるのになあ」と考えてしまっては課題が見えてこなくなる恐れもあります。

一方、グループレッスンはそういう甘えが出にくい。授業の進捗ペースは決められたものになりますし、他の学生の前で恥はかきたくないので予習するのは当たり前という責任感が生まれます。確かにペースが合わないと時にはしんどい時期もありますが、英語に限らず何かのスキルを身につけようとした場合、背伸びをすることが必要でそれには動機づけとなる環境に身を置くことは必須です。

またグループレッスンは他の学生が発言をするので、自分が使わない表現や単語、意見を聞くことになり、そこで目からうろこの新しい発見があったり、グループ内での自分の英語力の立ち位置が分かったりもします。1人だと他の学習者と比べて自分がどの程度習熟しているのかなどが分からず、いまいち自信が持てないということもよくあります。逆に自信満々なのにまったく通用しないということも。

グループレッスンは他の学生とディスカッションしたり、発言を聞いたり、自分と同じ立場の人から受ける刺激は良いモチベーションになり、挫折してしまう可能性を低く抑えることに繋がります。それにやはり一緒に勉強する仲間がいるというのは単純に楽しいですよね。

Harayama Masayuki

コーチングの重要性

──最近日本でも英語、フィットネスクラブなどでコーチングサービスを導入されていることが多いですよね?

原山 これはコーチにしっかりした知識と経験があるということが前提になりますが、非常に良いものだと思います。僕の若い頃はそういうサービスを提供している学校は皆無だったので、こういうサービスが昔からあったら良かったなあと思いますね。

英語の勉強って中学校、高校でやってきた我流で勉強しがちなのですよ。中学高校の先生ですら自分の経験から我流としか言えないような勉強法を良かれと思って教えますから生徒は信じこんでしまいます。また、生徒間でも受験の得点につながる勉強法は短絡的であってもみんな真似します。結果、大人になって学び直しをすると非効率的な勉強方法を自然と選び取ってしまうことが多いんです。

また伸び悩んだ時に今の自分には何が足りてないのか、そこを伸ばすにはどんな勉強法が有効なのかなどを教えてくれると納得して安心しながら勉強を進められますよね。無駄なく一直線にスキルを伸ばせるというのは、特に時間の限られた社会人にとって大きなメリットだと思います。

そしてモチベーションは自分一人ではなかなかコントロールしにくい分野です。英語学習は途中で挫折しなければ早かれ遅かれできるようになるものですが、これを防ぐのがとにかく難しくて皆困っているわけで。だから、モチベーションを含めて管理してくれるコーチの存在は非常に心強いでしょうし、成功への確率が上がる存在だと思います。

勉強時間をどう捻出するか問題

──忙しい社会人にとって必要な学習時間を確保することが難しいと考えがちですが、1日どれくらい勉強することが必要だとお考えですか?

原山 英語をマスターするのに必要な学習時間は3,000時間と言われますが、これは単純に3,000時間勉強すれば良いということではありません。今まで述べてきたように勉強法にもよりますが、そこで間違えていなくても気をつけないといけないポイントがあります。

それは頻度です。同じ時間数でも例えば、週末にまとめて14時間勉強するのと毎日2時間勉強するのであれば後者の方が学習効率は上がります。

私も一時期非常に忙しい会社にいたことがありますが、その時期でも隙間時間、通勤時間、ランチタイム、寝る前の時間などを使えば毎日1-2時間は勉強することが可能でした。一回あたりは少ない時間ですが、まとめると結構な時間になります。

そう考えると、一般的な会社員であれば1日2〜3時間は英語学習ができるでしょう。特に英語力を短期間に一気に上げたいという場合は、学習に力を入れる期間を決めて、その間は毎日しっかり最低2時間は勉強時間を作ることが大切です。どうしても社会人は生活の中心が仕事になりがちですが、忙しい人であっても短期間であれば時間は必ず作れます。

ただ、忙しい社会人にとっては時間を確保することよりも、学習期間中のモチベーションを保つことの方が難しいです。正直なところ、独学で挫折せず目標を達成できる人は少数派でしょう。だからこそ、コーチングや一緒に学ぶ仲間を見つけることがキーになってきますね。

私の学生の頃より現在は英語を勉強する環境は格段に整ってきています。昔は英字新聞を読もうとしたら大型書店などに行って600円程度で購入しないといけませんでしたが、今はオンラインで無料で読めます。またオンラインレッスンも以前のように顔だけ見て行うのではなく、お互いに同じ教材を見ながら行えるなど、会って行うレッスンと遜色がないどころか、より分かりやすいレッスンを受けることも可能になっています。忙しい社会人にとってスクールへの通学だけで結構な時間が失われますから、オンラインでの教授法とそれを支える技術の発展は喜ばしいことです。

まだまだ物申したい勉強法は沢山ありますが、これからは英語はますます重要な時代になっていくので、是非この恵まれた新しい学習環境や知見をフルに活かして1人でも多くの人が英語を使えるようになって欲しいと願っています。

英語はアートの可能性も広げる。

版画作家 津久井 智子さん

消しゴム版画アーティストが痛感した英語の必要性。留学して目にした英語教育の最前線とは。そして英語を武器にしたことで広がった可能性を語る。

プロフィール:
15歳から消しゴムを用いた版画を作り始め特技とする。2003年から「はんこや象夏堂」としてインターネットやイベントでオーダーメイドのはんこ制作を開始。メディア出演やイベント、ワークショップなどを通して、はんこ版画の作り方や活用法を広く紹介するようになり、消しゴムはんこブームの火付け役となり新しいジャンルの確立に貢献。近年は消しゴムはんこによるイラスト提供や商品デザイン、内装や壁画なども手がけ、オーストラリア、フランス、香港、上海など海外での活動も精力的に行っている。

Tsukui Tomoko

消しゴムはんこ海を渡る

──現在、消しゴムはんこアーティストとして国内外で幅広い活躍されていますが、海外はどちらの国に行かれましたか?

津久井 活動内容はワークショップや個展、イベントへの出展など様々なものがありますが、フランス、香港、上海、オーストラリアなどに行きました。消しゴムはんこという文化は海外では珍しいので、結構注目してもらえています。

──海外での活動時は英語を使って行うのですか?

津久井  やはりその国の母語でやることになるので、フランスや中国では現地の通訳の方にサポートしてもらっていました。ただオーストラリアは英語なのでこちらは知人に少しサポートをしてはもらいましたが、何とか自分で英語で説明を行いました。ワークショップだったので目の前で見せてそれをやってもらう形なので、そこまで高い英語力がなくても成立しましたね(笑)でも、やっぱりもっと上手に英語が話せればと、その時は強く思いました。

海外の語学学校で目にした驚きと本気

──英語を本格的に学ばれたのはいつですか?

津久井 オーストラリアのワークッショップの時までは本格的には勉強したことがなく、大学で勉強したレベルでした。趣味が海外旅行のため大学時代からほぼ毎年海外に行き、その時に英語を使うといった感じで、旅行では特に困らないレベルではありました。ただ、やはり現地の人としっかりコミュニケーションを取ろうとか、仕事で使おうとすると英語力不足はひしひしと感じていました。

そこで、数年前にセブ島にある語学学校(コレダケ監修のTARGET校の姉妹校)に、留学して本格的に英語を勉強することにしました。

──セブに留学に行ってみていかがでしたか?

津久井 正直なところ行く前はフィリピンのセブ島留学って欧米留学と比べて安かろう悪かろうのイメージは少しあったんです。でも、実際行ってみたら想像とは全く違ってすごくしっかりしていて驚きました。フィリピンは公用語が英語ですが街中ではフィリピンの言葉が使われているし、タクシードライバーなどの英語は流暢ではないのですが、学校の先生達の英語はとても綺麗で聞き取りやすく、また南国特有の明るいキャラクターのおかげで学生もみんながハッピーな感じで、日本で想像していたものとは全く違いました。また授業がしっかりとマネジメントされていて、右も左もわからない状態からのスタートでしたが初日からやることが明確になっていたのは助かりました。

Tsukui Tomoko

── フィリピン人講師の発音など気になることはありましたか?

津久井 私の英語力はそこまで高くないので、まだ発音が気になるとかいうレベルではなかったのですが、聴きやすくて綺麗だなとは感じました。あの発音ならアメリカなどの完全な英語圏の国に行っても十分通用すると思いますし、周りのクラスメイトからも不満は聞いたことはなかったです。

──留学してこの点は特に良かったという点はありますか?

津久井 とても満足できるところが多かった学校ですが、日本人の英語トレーナーから日本語で文法の説明を受けられたり、コーチングを受けられたりしたのは良かったです。もちろんフィリピン人先生も分かりやすく説明はしてくれるのですが、やはりこちら側の英語力が勉強中の身ですので、内容によっては100%理解するのは難しく、「こんなことを言っているのかな?」と不安になってしまうこともありました。ただ、それを日本人のトレーナーに質問すれば10分でしっかり理解できますし、文法や勉強法などは日本語で習った方が手っ取り早いとは感じました。後で聞いた話ですが、これは通った学校の特徴で多くの学校では英語の先生ができる日本人スタッフがいるわけではないとのことで、これは学校ならではのメリットだったのかもしれませんね。

──英語を勉強していてモチベーション維持はどのようにしていましたか。

津久井 留学中もそうだったのですが、やはり仕事があるとついついそちらを優先してしまって、やるべき勉強が後回しになってしまうということが多かったです。でも中学、高校のように先生に叱られることもないので、ついつい甘えてしまいます。ただ、その時にクラスメイトの存在は大きかったですね。グループ授業だと他の生徒の足を引っ張りたくないとか、宿題ができませんでしたとかは言いたくないじゃないですか。おかげで本気になるしかない状況になりました。

また同じ話題を英語で話せる友達がいると良いなと思います。以前にランゲージエクスチェンジをしていたのですが、何回やると話すネタがきれてしまって継続ができませんでした。これは理想なのですが、やはり同じことに興味がある仲間が欲しいなと。今私はK-POPにはまっていて、その話題ならいくらでも話せるし、この間のライブについてとか、メンバーの髪型についてとかいろいろと話したい、この気持ちを共有したい!って思うんです(笑)。それを英語で話す仲間がいれば仕事が忙しくても勉強をしっかり継続できると思います。

英語を武器にしたことで広がった可能性

──留学後に何か活動に変化はありましたか?

津久井 留学中にシャドーイングのトレーニングを徹底的にやったおかげで、帰国後に英語の映画を見ていたら自然と聞き取れるところが多くなっていてびっくりしました。最初意識はしてなかったのですが「あれ?聞き取れててるな」って急に気がついて。英語力は集中して勉強すると数ヶ月という期間でもあっても効果は結構でるんだなと思いました。

そして海外の方向けに消しゴムはんこのアイテムの販売を開始しようと英語字幕をつけた動画配信を開始しました。そうしたら今までは全く関係すら持つことがなかったイスラエルやエジプトといった国からも注文が入るようになり、英語の可能性を感じずには得られませんでした。

Tsukui Tomoko

──どんな人も英語を使うと可能性を広げられますね。

津久井 私も以前は英語で海外向けに仕事をするなんてことは殆ど考えてなかったです。消しゴムはんこって海外ではまだまだマイナーだけど、興味を持ってくれる人はとても多いんです。でもゴム板とか彫刻刀、インクなどは日本製が圧倒的に質が高くて海外のものだと上手くできなかったりもします。なので、海外の人にアイテムを販売したり、紹介動画を発信したり、またその国に行ってワークショップやイベントを開催したりとどんどん活躍の場が広げられると感じています。

ただ、その時に前提となるのが英語力です。ここが無いとやはり自分で思ったことはできませんし、しっかり伝えることができなくてお客さんの心を捉えるのが難しいです。ですからやはり英語は大切だと私のような仕事でも強く感じます。

──最後にコレダケをご検討の皆さんに一言いただけますか?

津久井 セブ島での留学はとても良かったので、日本にいながら同じ先生に習って勉強を続けたいと思いましたが、今まではそれができなかったのが残念でした。しかし、今度はオンラインで可能になるとのことでとても嬉しいですね。本当に良い先生達でしたし、スタッフの方々も丁寧に対応してくれて本当に良い留学生活を送れましたし、英語力もリスニング力を中心に伸ばせたので、日本でもそれができるオンラインスクールは十分期待できると思いますよ。

津久井智子公式WEB: https://tsukuitomoko.com/
公式instagram:https://www.instagram.com/tomokotsukui/

[スペシャル対談]
TOEIC®は世界へのパスポート

国際機関職員 石川 毅さん

国際機関職員としてグローバルに活躍されている石川氏とコレダケ代表石原が対談。グローバル人材だから知っている活躍できる英語力とはどの程度か?忙しい社会人が英語を身につけるにはどうすればよいか?そして、現在のTOEICスコアの価値とは。20年来の関係だからできる本音トーク。

石川 毅さん (写真右)のプロフィール:
専修大学史上初の「飛び級」にて同大学大学院経済学研究科に進学し、修士課程を修了。2002年より国際機関職員として日系企業の海外進出支援業務に従事。中国へ駐在するなどしつつ、幅広い国際的な活動を行う。アメリカ、オーストラリアへの留学経験もあり英語も堪能。趣味は年2回の海外旅行。著書に「TOEIC300点からの海外進出」(コレダケ代表石原との共著・講談社エディトリアル)

企業規模に関わらず急速に広がる英語の必要性

──お二人は以前、「TOEIC300点からの海外進出」という本を共著した間柄ですが、付き合いは20年を超えると聞きました。

石原 まさかこんなに長い付き合いになるとは思わなかったし、出会った頃は2人とも海外に関わる仕事をするなんて想像もつきませんでした。今や石川さんは海外経験も豊富なグローバル人材ですね。

石川 仕事が国際機関ということもあり、よく海外出張に行くよね。中国は8都市、その他台湾、韓国、ベトナム、タイ、フィリピン、ヨーロッパはドイツやスイスなどに行きました。その他、海外旅行も趣味だからヨーロッパ、アジアを中心に40都市以上は訪問しています。

──お二人とも昔から英語は得意でしたか?

石原 学生の時は苦手だったな…。

石川 私は大学生の頃にアメリカに3ヶ月の短期留学に行きましたし、社会人になってからオーストラリアにも石原さんの会社で手配して語学留学に行ったりもしました。でも職場が国際機関だから英語はビジネスレベルはあって当然という感じで帰国子女とかも多いから、彼らと比較するともっと勉強しなければというプレッシャーはありましたね。

石原 石川さんは仕事柄多くの中小企業から大企業の人まで交流がありますが、最近のビジネスシーンでの英語の必要性はどう感じていますか?

石川 私たちが学生だった20年以上前はそうでもなかったけど、今は国内市場が縮小しているので地方の町工場や飲食店や内装工事会社でも、海外に進出するケースが珍しくないです。また入社当初は英語を使うなんて全く考えていなかった人が急に英語が必要になって勉強しているケースを多く見かけます。これからは企業の大小に関係なく語学が必須になってくるなと感じますね。それに今の日本では英語ができれば将来の選択肢がめちゃくちゃ広がる。これは特に20代~30代くらいの若い人にとってはとてつもないチャンスだと思います。

石原 私も英語の可能性は年々増しているように感じますね。英語が苦手だったけど、ひょんなことから語学留学することになり英語が使えるようになったので、仕事のためにオーストラリアやフィリピンに住んでトータル15年以上経ちます。英語を勉強しておいて良かったと心底思います。

石川 英語はプライベートでも仕事でも世界へのパスポートと言えますね。

国際機関でも重視されるTOEIC

──その英語力を測るのは日本ではTOEICが最も人気ですが、石川さんの働く国際機関でもTOEICで評価されるのですか?

石川 もちろん。入社時も使われるのはTOEICです。もちろんTOEIC以外にも英語力チェックは入りますが、重要視されるのはやはりTOEICです。

石原 国際機関であっても日本ではTOEICですよね。

──TOEIC以外にもTOEFLやIELTSなど他のテストもありますよね?

石原 日本ではTOEIC以外のスコアだと英語力をイメージできる人が少なすぎます。人事にIELTS 7.0ありますとアピールしてもピンとこない。自らの英語力を正確に知りたいという目的であれば他のテストでもよいとは思いますが、日本で評価されたいという目的だとTOEICがまだまだ最強です。

石川 TOEICはやはり多くの人が英語力をイメージできるのが大きい。学生は就職のため、社会人は昇進、海外赴任、転職などの際の評価指標になるのはやっぱりTOEICです。トピックがビジネス系なので社会人としての必要な英語力を測るには適当ですしね。

石原 英語力を高めるために勉強することは素晴らしいことですが、客観的な数値で実力を証明しないと評価してもらえないものです。その中でも、TOEICは英語力を一番簡単に証明する方法でもあるのでお勧めのテストだと思います。受験料も他のテストより安価で試験会場も多いのでチャレンジしやすいというメリットもあります。

忙しい社会人が採るべき学習法

──しかし、社会人は忙しくてなかなか勉強時間がとれないという方も多いですよね。二人とも忙しい毎日になる仕事だと思いますが、どうやって勉強時間を捻出しましたか?

石川 日常的には隙間時間を利用するのが効率的ですね。今は通勤時や食後などのちょっとした隙間時間でもスマホのアプリなどで勉強できるし、無料で英語ニュースを読んだりもできます。仕事がら世界のニュースを仕入れることが多いですが、やはりそれは英語で仕入れるのが一番効率的です。もちろん、最初は難しかったですけど、まずは見出しだけピックアップして、読んで分からない単語はググるというだけでも良い勉強になる。

また、「ここは勝負という時」は期限を決めて、その時は仕事を無理にでもセーブして取り組むことも必要だと思います。私の場合は一時期会社に行きながら、経営学を学ぶために大学院に通いましたが、あの時は隙間時間の利用では足りませんでした。

そこで、仕事を一旦棚卸しして優先度が低いものは思い切ってカットしました。もちろん色々と支障が出ることはありますが短期間であれば周りも協力してくれるので可能です。英語は先ほども言った通り将来の可能性を一気に広めてくてるし、それこそ給料の高い外資系に転職する武器になることなどを考えればコストパフォーマンスが高い投資になるので優先するだけの価値はあります。勝負する時ってやはり手放さないといけないものもあるけど、それって後からみると絶対やって良かったとなりますよね。

石原 確かに忙しいと言い続けていたらいつまでたっても現状は変わらないから、思い切った決断は必要ですよね。

──しかし仕事をセーブできる期間にも限界もあるので、短期集中で学習するしかないということですよね?

石川 そうです。さらに言うとモチベーションの維持も考えると期間を3ヶ月とか半年とか短く区切らないと無理です。今はきめ細やかにサポートしてくれるコーチングがあるスクールも増えてきたので、そういうものを利用するのも良いですね。勉強方法って自己流になると非効率になって学習期間も延びてしまうことが多いですから、最も効率がよいやり方を教えてくれて、学習状況を常に確認してくれる人がいるなら、その力を借りてサクっと短期間でやってしまう方が良いと思います。

石原 フィットネスとかと同じですよね。楽ではない行為なのだから、正しい方法でやること、モチベーションを保つ方法を採ることの2つを大事にすれば自然と成果が出せます。そのどちらかが欠けるとほとんどの人が途中でドロップアウトしてしまいます。

石川 ほんとその通りです。フィットネス業界と英語教育業界の流行りは全く同じですからね。安いけど自己流で好き勝手やるタイプか、結果にコミットしてくれるけど費用はまあまあかかってしまうタイプ。社会人は時間がない反面、お金に余裕はあるという人も多いはず。だからこそ、短期間に成果を出すことを重視した方法に投資を行わなければいけないとは思います。その判断を見誤ると長期間だらだらやった挙げ句にドロップアウトして、それまでの投資が無駄に終わってしまいます。

仕事で必要とされている語学力はそう高くない

──石川さんは英語だけでなく中国語もできるとお聞きしました。

石川 中国語はまだビジネスレベルではないので、中国での仕事の時は通訳をつけています。それでも通訳に完全に頼ってしまうのは良くない。言葉は基礎だけでもできると状況を有利に運ぶことができるからです。

まず、通訳の方って優秀な一部の人を除いては、こちらの意図すること全体までを訳してくれません。だから、こちらの言いたいことや熱量がなかなか伝わらないことが多くなります。日本語という言語はハイコンテクストな言語、つまり共有性が高く、ひとつひとつの言葉で説明しなくても察し合うことで分かる言葉です。そのため、表面だけを訳されるとニュアンスが変わってしまいます。

だから、たどたどしくても自分の言葉で大事な部分だけは伝えることが大事です。言いたいことがあればそれは片言でも伝わるものですから。そして、後は通訳に訳してもらうという流れでも有利な状況を生み出せます。

それと新興国などでは通訳の報酬が商談成立すると上がることもあるので、わざと嘘の通訳をすることもあります。分かりやすく極端な例になりますが、金メッキだと先方が言っているのに純金製なので非常にお得ですとか訳してきて商談を無理やりまとめようとする通訳も少なくありません。

── それはまたすごい話ですね。新興国ビジネスではそんな所にまで落とし穴があるのですね。

石川 でも基本的な部分でも単語が分かると、何かか怪しいぞ、しっかり訳せって言える。ここは非常に重要なポイントです。これは英語でも同じことが言えるから、別に上級にならなくても中級レベル、TOEICで言えば600-700点位あるだけでだいぶ世界は変わります。このくらいのレベルなら才能とか関係なく、正しい努力さえすれば誰でも到達できるレベルですから、やらない手はないですよね。実は、私は現職の入社試験のTOEICスコアがその位で、あとは実戦で凌いでスキルアップしてきました。

石原 それは本当にそう思う。二人の共著「TOEIC300点からの海外進出」もまさにそのような話から生まれた本ですよね。多くの人は海外進出というと英語が上級レベルでないと無理なことだと思っていますが、実はそんなことはなくて中級レベル、状況によってはそれ以下でもスタートできたりします。そして必要な英語力は必要になった時に短期集中で身に付けることで間に合わせることもできます。私もオーストラリアでビジネスビザや永住権を取得する時にIELTS(英連邦諸国で主流の英語力検定)のスコアが求められましたが、その時は3ヶ月集中して勉強することで必要なスコアをクリアしました。

日本人から英語を学ぶ意義

石原 ただし、その時は英語で文法やらテクニックを習うと細かいところを理解するのに苦労しました。短期集中でやるならば、こういった理論分野を日本人から習えばもっと楽ができたと思っています。

石川 そうだね。ちなみに、ありがたいことに著書は、ニュース配信会社のNNAで今でも紹介されています。日本では英語ネイティブに習うべきという信仰があるけど、経験上、日本語で学んだ方が断然効率が良い分野はあります。スピーキング、リスニングの練習は外国人講師ではないと実践をイメージしたトレーニングができませんが、文法など説明されて理解することが大事な分野は日本人講師がいいですね。

単なる英会話をネイティブ講師と長時間やっても、実はTOEICの成績は上がりません。場合によっては、教えてもらっているネイティブ講師の癖がうつったりする。実は僕は駐在の時に、中国語を女性のネイティブ講師から学んだのですが、ある商談の場所で中国の方から「すみません。その表現は女性が使う言葉で男性は使わない方が…」と言われたことがある。もちろん笑いに変えたけど。ネイティブは生まれた環境で自然と言語を身につけているので、実は自分の言語を詳しく知らないものです。その点、非ネイティブの先生の方が言語に詳しいですよね。

これからの社会人にとっての英語

石川 今の大学生や20-30代位の若手や中堅社員は、ある程度の英語力をさっさと身につけてしまった方が圧倒的に有利です。今まで多くの会社を見てきましたが、英語の使える人材が圧倒的に足りてないですし、評価はもちろん英語だけではないけど、英語ができるということで大役が回ってくることや、挑戦させてもらえることが増えるのは間違いありません。これは逆に言えば英語ができないということで、優秀な人ですらチャンスを失うことも多いとうことです。

そして、その必要な英語力は上級ではなく誰でも身につけられる中級程度でも良いということは多くの人に知ってほしい点です。極端な話、30~50の英単語で、ゆっくり、はっきり、話せば、海外ビジネスで勝負できる。外国人に英語で伝えたいという思い、熱量が大事です。英語はツールで、あくまでコミュニケーションの手段ですから。

石原 本当にその通りですね。今の社会はどんな業界、業種も英語が使えればそれがレバレッジになって貴重な人材として評価してもらえる場面が多いですね。

石川 英語は給料を上げる武器にもなり、場合によっては年収が数百万円と変わってきます。現金な考え方ですが、時間とお金をかけた分は余裕で回収できてしまいます。しかし、いくら英語力が高くてもそれを客観的に証明できなければチャンスは巡ってきません。日本において評価されやすいTOEICはチャンスを掴む第一歩と言ってもいいと思います。

石原 確かにそうですね。これまで長く英語業界にいますが、英語力を身につけたことでハイレベル転職、海外起業、移住など様々な夢を叶えた卒業生を沢山みてきました。多くの人に英語ができれば人生が変わると知ってほしいですね。

──本日はいろいろと貴重なお話ありがとうございました。

TOEIC300点からの海外進出
石原 智之 / 石川 毅 共著「TOEIC300点からの海外進出」

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